クリーニングのビニールは外してしまう?袋のまま黄ばむ理由と受け取り後6カ月の確認期限、陰干しから不織布カバーと収納まで5つの手順

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衣替えでクローゼットを開けたら、春にクリーニングから戻ってきたコートが、薄いビニールをかぶったまま並んでいた。そんな経験はないでしょうか。Xでも、10月に「クリーニングから戻ったままのビニールがかかった秋冬コート」を見つけたという投稿や、クリーニング店の中の人による「返ってきた服のビニール、そのまま収納してませんか?」という呼びかけが見られました。

この記事では、国民生活センター、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(全ク連)、東京都クリーニング生活衛生同業組合、自治体の消費生活センターの情報をもとに、クリーニング後の服をどう保管すればよいかを整理しました。ビニールを外す理由から、受け取ったときの確認、しまう前の陰干し、カバーや衣装ケースの選び方まで、順番に見ていきます。

目次

クリーニングのビニールは外す?外さない?

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結論からいうと、クリーニング業界の団体も消費生活センターも「外してからしまう」ことを勧めています。まずは、あのビニールが何のためについているのか、そして付けたままにすると何が起きるのかを確認しましょう。

ビニール(ポリ包装)は持ち帰り用で、保管用ではない

クリーニング店で仕上がった服にかぶせてある薄いビニールは、業界では「ポリ包装」と呼ばれています。東京都クリーニング生活衛生同業組合のページによると、このポリ包装は、利用者がお店から自宅まで持ち帰る際の汚れ防止のためのものです。一般的に、保管や収納のときのカバーとしての役割はないと説明されています。

全ク連の「お手入れ情報」も、保管前のアドバイスとして「クリーニング後に衣類からポリ包装を取り外し、風を通してからしまいましょう」と挙げています。国民生活センターが2006年に公表した資料「クリーニングサービスのトラブル防止のために」でも、ポリ包装袋・カバーはあくまで自宅まで汚れが付かないようにするための運搬用で、保管には適していないと書かれていました。

ところが、実際には付けたままの人が少なくありません。同じ資料では、消費者781人へのアンケートで、ポリ包装袋・カバーを外すタイミングを聞いています。複数回答で最も多かったのは「次に着用する前に」の415件で、「家ですぐに」357件、「家で収納前に」323件と続きました。「店頭で」外すという回答は10件にとどまっています。次に着る前まで付けたままにする人が、家ですぐ外す人より多かったことになります。

この資料では、お店で配られるポリ包装袋・カバー20検体の表示も調べられていました。「ポリカバーはホコリよけや配送用の袋です。長期保存の場合には使わないでください」という表示があったのは1検体だけで、ほかには店頭での注意もなかったそうです。外したほうがいいと知る機会が少ないのも、付けっぱなしが多い理由のひとつかもしれません。

全ク連の賠償基準の運用マニュアルにも、「利用者の多くが受け取った洗たく物の検品をせず、ポリ包装がかかったままの状態で次の着用時まで放置しているケースが大多数を占めています」という一文がありました。業界側もこの状況を把握していて、受け渡しのときに、収納前の検品や包装材の取り外しについてしっかり説明することがクリーニング業者に求められるとしています。

最近は、Xで「環境保護だとかで仕上がり後にかかってるあの薄いビニール袋が廃止になってた」という投稿も見かけました。お店によって包装の有無は違いますが、ビニールがついてきた場合は、家に帰ったら外すと覚えておくとよいでしょう。

袋のまましまうと起きること

ポリ包装を付けたまましまっておくと、どんなことが起きるのでしょうか。各地の消費生活センターや組合の情報から、代表的なものを4つ挙げます。

1つ目は黄ばみです。堺市消費生活センターは、白いブラウスをクリーニング店の袋に入れたままタンスにしまい、数カ月後に一部が黄色く変色していたという相談事例を紹介しています。袋に使われる酸化防止剤が大気中のガスと反応して変色した可能性があるそうです。国民生活センターの資料にも、白いコートをポリ袋に入れたまま5カ月保管したら黄色く変色していたという事例が載っています。資料によると、排気ガスなどに含まれる窒素酸化物が、ポリ包装袋・カバーに含まれる酸化防止剤(BHT)と反応して繊維製品を黄変させることがあるといいます。

2つ目はカビやシミです。岡山県消費生活センターは、クリーニングから戻ってきたら袋から出して保管するよう呼びかけ、袋のままだとカビやシミ、変色の原因になると書いています。東京都クリーニング生活衛生同業組合も、長期間保管している間にカバー内にこもった空気中のガスや湿気などが影響し、変色などが起きることがあると説明していました。

3つ目は、乾燥が不十分な服による皮膚のトラブルです。同組合によると、ポリ包装で密封された状態だった合成皮革のパンツを着用したら、皮膚の表面が赤くなり火傷のようになってしまった事例があります。原因はドライクリーニング後の乾燥不十分で、石油系溶剤が高濃度に残った服に皮膚が長時間触れると皮膚炎が起きることがあるそうです。伊勢市の消費生活センターも、合成皮革のパンツでクリーニング溶剤の残留による化学やけどの報告があると注意を促していました。

4つ目は、他人の服と気づくのが遅れることです。東京都の組合は、ポリ包装から出さずにしまい、次のシーズンに開けてはじめて自分の品物ではないと気づいた事例も紹介しています。受け取りから時間がたっているため、探し出すのが難しくなったといいます。

国民生活センターの資料のアンケートでは、ポリ包装袋・カバーを付けたまま収納した場合に、25%が「シワなどがはいった」「変色した」などの変化があったと答えていました。外してから衣類が変化していたことは「ない」という人が73.4%と多数派ではあるものの、「シワなどが入っていた」8.8%、「変色していた」5.6%、「縮んでいた」3.1%という回答もあります。

受け取ったらすぐ確認したほうがいい理由

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ビニールを外すのは、服を守るためだけではありません。もうひとつの大きな理由が、トラブルがあったときに申し出られる期間に限りがあることです。

賠償基準の「6カ月」「1年」と、受け取り時の書面

クリーニング業界には、トラブルが起きたときの目安として「クリーニング事故賠償基準」があり、全ク連によると、この基準はLDマーク(各都道府県のクリーニング生活衛生同業組合の加盟店)と、Sマーク(厚生労働大臣が認可した「クリーニング業の標準営業約款」に基づいて営業する登録店)のお店で使われています。目黒区や岡山県の消費生活センターは、マークのないお店でも、この基準を参考に交渉・解決を目指すとよいとしています。

この基準の第7条に書かれている期限は2つです。ひとつは、利用者が洗たく物を受け取ってから6カ月を経過したとき。もうひとつは、クリーニング業者が洗たく物を受け取った日から1年を経過したときです。どちらの場合も、業者はこの基準による賠償額の支払いを免れるとされています。

国民生活センターの「見守り新鮮情報」第476号(2024年2月20日公表)には、70歳代の人の相談が載っていました。7カ月前にクリーニングに出したジャンパーをすぐに引き取ったものの、仕上がりを確認せずにクローゼットにしまい、着ようとしたらジッパーの布地が引きつっていて着られなかったという事例です。お店からは「6カ月も過ぎてから苦情を言われても、引き取った後の事故によるものかクリーニング時の処理の仕方の問題かどちらか分からない」と言われたそうです。目黒区のページにも、春先に出した上着を袋に入れたまま保管し、冬に着たらシミが出ていたものの、受け取りから6カ月以上たっていたため基準の対象にならなかった事例が紹介されています。

春にクリーニングに出した冬物は、受け取ってから次に着る秋の終わりまでに、6カ月を過ぎてしまうことが珍しくありません。だからこそ、しまう前に一度ビニールを外して確かめておくことに意味があります。

もうひとつ知っておきたいのが、第7条第1項の規定です。ここでは、利用者が受け取るときに事故がないことを確認し、異議なく受け取ったことを証する書面をお店に渡した場合も、業者は賠償額の支払いを免れるとされています。運用マニュアルによると、この相互確認と書面の交付をすれば期間の制約は解除される、という位置づけです。受け取りのときに確認のサインを求められたら、その場で服の状態をしっかり見てからサインしましょう。

また国民生活センターは、基準に基づいて賠償される場合でも、購入時からの経過月数などが勘案されるため、購入時の金額が戻ってくるわけではないと注意しています。この基準を使っていないお店もあるので、利用するお店のルールを確認しておくと安心です。困ったときは、自治体の消費生活センターや消費者ホットライン188に相談できます。

受け取るとき、しまう前に見ておくポイント

では、具体的に何を確認すればよいのでしょうか。岡山県消費生活センターの「クリーニングの基礎知識」が挙げる、受け取るときの注意点は次のとおりです。

  • 預かり伝票を見て、数量と仕上がり具合を確認する
  • ボタン、ベルト、リボンなどの付属品が全部そろっているか、シミや損傷はないかを見る
  • できあがったら早めに取りに行く
  • 苦情がある場合はその場で申し出る(後日では原因を明らかにするのが難しくなる)

目黒区も、できるだけ仕上がり日の直後に受け取り、すぐに状態を確認すること、仕上がりに納得がいかないときはできるだけ早く店に連絡することを勧めています。預けるときにもらう預り証は必ず受け取り、内容を確認して大切に保管するよう書かれていて、受け取りのときに数量や付属品を照らし合わせる手がかりになります。宅配クリーニングについては、対面で相互チェックができないため、紛失や誤配、仕上がりへの不満といったトラブルも多くなっているとのことでした。利用する場合は、受け取り後の洗い直しに対応できるかどうかなどを、規約で先に確かめておくよう勧めています。

家に持ち帰ってからは、東京都クリーニング生活衛生同業組合のまとめが参考になります。受け取り後は必ずポリ包装カバーから品物を出し、「自分の品物か?」「どこか異変がないか?」を調べ、しばらく陰干ししてからクローゼットなどにしまう。異変があればすぐにお店へ問い合わせる、という流れです。

チェックするときは、明るい場所でハンガーにかけたまま、前と後ろ、袖口、衿まわり、裾を順番に見ていくと見落としが減ります。全ク連の「お手入れ情報」によると、スーツやジャケット、コートは袖口や衿まわりが意外に汚れているもので、ロングコートは階段の上り下りなどで裾を引きずっていることもあるそうです。出す前に気になっていたシミが落ちているか、ボタンが欠けていないかもあわせて見ておきましょう。

一方で、異常があってもすべてがお店の責任とは限りません。伊勢市消費生活センターは、トラブルの原因には、クリーニング店の処理方法、衣料メーカーの製造やデザイン、消費者の扱い(汗や摩擦、保管方法など)の3つがあると整理しています。ブラウスの衿の変色を調べたらパーマ液がついていたことがわかり、お店の責任ではなかったという事例もありました。まずはお店に原因を聞き、冷静に話し合うことが大切です。

ビニールを外したら、しまう前にやること

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ビニールを外して状態を確かめたら、すぐにクローゼットへ…の前に、もうひと手間かけておきたいことがあります。風を通すことと、服に合ったハンガーやたたみ方を選ぶことです。

日陰で風を通してからしまう

東京都クリーニング生活衛生同業組合の「長期保管の注意点」によると、カバーで覆われた衣服は湿気がこもっていることがあります。そのため、クローゼットやタンスにしまう前に、一度風が通る日陰で十分に乾燥させるよう勧めています。

どのくらい干せばよいかについては、堺市消費生活センターが「数時間陰干ししてから収納しましょう」と書いていました。日なたを避けるのは、紫外線の影響を減らすためです。国民生活センターの資料には、日光や蛍光灯の光などの紫外線が衣服に直接当たると、その部分の染料分子の一部が壊れて変色が生じることがあると書かれています。部屋の中の窓から離れた場所や、風通しのよい日陰の軒下などを選ぶとよいでしょう。

陰干しは、ドライクリーニングの溶剤を飛ばすという意味でも役立ちます。先ほどの化学やけどの事例について、東京都の組合は、スピードクリーニングで短時間に仕上げたために乾燥に時間をかけられず、乾燥不十分で返却されることがあると説明しています。組合ではドライチェッカーという機械で溶剤の残留度を測ってから返却するよう指導しているそうです。気になる場合は、お店に「ドライクリーニングの乾燥はどの程度時間をかけているか」「ドライチェッカーを使っているか」を尋ねてみるよう勧めていました。

UES(洗濯マニュアルを公開しているクリーニング関連のサイト)も、ビニール包装のまま収納すると袋の中で湿気がたまりカビや変色の原因になること、有機溶剤の乾燥不足は肌に悪いことを挙げ、着用するとただれてしまうこともあると注意したうえで、収納前は必ず外して風通しのよい所で陰干ししてから保管するよう書いています。伊勢市の消費生活センターも、ポリ袋のまま保管して変色した例の原因として「クローゼットの中の通気性が悪くカビが生えた」「空気中の窒素ガスが裾まわりだけに触れ続け、グラデーションがかかったようになった」「乾燥が不十分でクリーニングの溶剤が残留していて変色した」などを挙げ、すぐにポリ袋を外して風通しするよう呼びかけていました。

陰干しが終わったら、ハンガーや収納場所の準備をします。もし干している途中で、ニオイが強い、生地が湿っぽいといった違和感があれば、そのままにせずお店に相談しましょう。受け取ったばかりのタイミングなら、原因を確かめてもらいやすいはずです。

返却時のハンガーは一時用。服に合わせて吊るすか、たたむ

ビニールと一緒に、お店から戻ってきたときのハンガーも見直しておきましょう。東京都の組合によると、返却時についてくるハンガーはカバーと同じく一時保管用です。長期保管する際は、衣服の肩幅・重み・形状に合ったハンガーを使うよう勧めています。

吊るすか、たたむかにも目安があり、同じページでは、一般的にシャツやブラウス、コートなどの「織物」はハンガーなどに吊るして保管し、Tシャツやセーター、スウェットなどの「編物」はたたんで保管すると説明しています。ただし、メーカーが保管方法を指定している場合もあるので、ケアラベルを見たりメーカーに問い合わせたりして確認しましょう。たたむときは服に合わせてたたみ、たたみジワにも注意が必要です。

全ク連の「お手入れ情報」には、もう少し具体的なコツが載っています。スーツやジャケット、コートは、幅の広いハンガーを使ったり、肩や袖にタオルなどを入れたりしてタンスに吊るすと、シワと型崩れを防げるそうです。セーターなどのニットは、ハンガーにかけたまま長く保管すると重みで形が崩れることがあるので、なるべくたたんで保管するよう書かれています。秋冬物のセーターなどのニットは、着ている間にこすれやすい脇や袖に毛玉ができていることがあるそうなので、たたむ前に確認しておくとよいでしょう。カシミアなどの獣毛製品は毛が細くデリケートな素材のため、毛並みが乱れていたら、柔らかいブラシを寝かせて使うなどしてやさしく整えるよう全ク連は書いています。春夏物のしまい方も、原則は秋冬物と同じとされていました。

ハンガーを選ぶときは、手持ちのコートやジャケットの肩幅を測っておくと選びやすくなります。肩先がハンガーからはみ出したり、逆にハンガーが袖の中に突き出したりしないものを選ぶのが、型崩れを防ぐ近道です。木製やプラスチック製で肩の部分に厚みのあるものが多く、細い針金のハンガーとは見た目からして違います。

クローゼットに並べるときは、服同士がぎゅうぎゅうに押し合わない間隔をあけておくことも大切です。次の章で見るように、詰め込みすぎは虫やカビの面でもよくないとされています。

カバーと収納用品はどう選ぶ?

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ビニールを外したあと、ホコリよけはどうすればよいのでしょうか。カバーの素材と、クローゼットやタンス、衣装ケースの使い方を見ていきます。

ホコリよけには通気性のある不織布カバー

ビニールを外すと、今度はホコリが気になるかもしれません。全ク連の「お手入れ情報」は、保管前のアドバイスとして「衣類カバーは通気性のある不織布タイプのものを利用しましょう」と書いています。湿気がこもりやすいビニールではなく、空気が通る素材を選ぶ、という考え方です。

国民生活センターの資料には、片面が不織布状になった包装用カバーについての質問もありました。こうしたカバーがあることを知らないという回答が179件あり、知っている人でも外すタイミングは「次に着用する前に」が最も多かったといいます。その他の回答には、「いったんはずして収納するときまたカバーをする」という人もいました。お店のカバーを使うにしても、一度外して中身を確かめ、風を通してから付け直すのがよさそうです。

市販の不織布カバーを選ぶときは、服の丈に合った長さかどうかを確認しましょう。ロングコートなら裾まで覆える長さ、ジャケットなら肩から腰まで覆える長さが目安です。前面が透明な窓になっているタイプは中身が見えて便利ですが、透明な部分はビニール素材のことが多いので、通気性を重視するなら不織布の面積が広いものを選ぶと考え方が一貫します。カバーをかける前には、陰干しが済んでいることを確かめてください。

肩の部分だけを覆う「肩カバー」タイプは、ホコリが積もりやすい肩を守りつつ、服全体の通気を確保できる形です。クローゼットの扉を開け閉めするたびにホコリが入る環境なら全体を覆うカバー、扉を開ける頻度が少ないなら肩カバー、と使い分けるのもひとつの方法でしょう。

なお、全ク連は、必要に応じてクリーニング店の保管サービスも上手に利用するよう勧めています。自宅のクローゼットが狭い、湿気が多くて心配、という場合は、保管サービスのあるお店を選ぶのも選択肢です。東京都の組合も、保管をサービスとして明示していない限り、受け取りに来ない品物はお店にとって滞納品となり、トラブルの原因になりやすいと注意しています。

クローゼットやタンス・衣装ケースの使い方

服を入れる場所の準備も欠かせません。全ク連は、衣類の収納場所を掃除してからしまうこと、クローゼットやタンス、衣装箱に詰め込みすぎないことを挙げています。東京都の組合も、菌や虫はホコリや汚れをエサにするため、クローゼットやタンスは定期的に掃除してきれいな場所に衣服を保管するよう書いていました。

クローゼットやタンスは閉め切られていることが多く、空気の入れ替えが不十分になりがちです。同組合は、衣服の出し入れのときだけでなく、定期的に開けたままにしたり、衣服を取り出して日陰で風に当てたりすることも有効だとしています。

長い期間しまっておく服については、全ク連が「密閉性の高い衣装箱に乾燥剤を入れて、カビを防ぎましょう」とアドバイスしています。ここでいう密閉はビニール袋とは違い、十分に乾かした服を、乾燥剤と一緒に湿気が入りにくい箱で守るという意味です。陰干しを済ませてから入れることが前提になります。

虫食い対策では、全ク連が、防虫剤は1種類のみにして衣類の上に置き、重ねた衣類の間にも入れるよう勧めています。防虫剤のガスは空気より重いので、上に置くと効果的なのだそうです。2種類以上を同時に使うと反応してシミの原因になることがあるとも書かれていました。防虫剤のガスが行き渡るように、衣類をたくさん詰め込まないことも大切だそうです。秋冬物にはウール、カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなど、衣類を食べる虫の好物となる素材が多いため、大切なものはクリーニングの際に防虫加工をしてもらうこともすすめられています。

岡山県消費生活センターは、汚れた服とクリーニングした服は分けて保管するよう書いていました。虫やカビなどが移ってしまうおそれがあるからです。衣装ケースを「クリーニング済み」「まだのもの」で分けておくと、うっかり混ぜてしまうのを防げます。

素材によっては、置き場所にも気を配りたいところです。全ク連によると、天然皮革製品や天然毛皮製品は、低温で湿気が少なく、光の当たらない風通しのよいところで保管するのがよいとされています。高級な毛皮は専門業者の保管サービスがおすすめと書かれていました。

しまう前のクリーニングと受け取りの計画

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最後に、そもそもどの服をクリーニングに出し、いつ受け取るかという段取りについてです。保管のトラブルの多くは、しまう前の準備で防げます。

「洗ってから保管」が基本

東京都クリーニング生活衛生同業組合は、長期保管でまず何よりも大切なのは、洗ってから保管することだとしています。衣服の汚れは目に見えないことが多いものの、着用後の衣服は食事をした後の食器と同じ状態で、汚れが残っていると変色・虫食い・ニオイの発生など、衣服を傷める原因がそろってしまうというたとえです。ここでいう「長期」とは来シーズンまでの保管のことで、次に着るまで半年以上空くこともあるため、正しい保管方法を意識しないと衣服の状態はすぐに悪くなるといいます。

同組合は、衣服のお手入れを「自宅で洗える衣服」「自宅では洗えない衣服」「自宅でも洗えず、クリーニングにも出せない衣服」の3つに分けています。そのうえで、長期保管前にクリーニングに出すべきなのは前の2つだとしていました。自宅で洗える服も、家庭の洗濯ではすべての汚れを落とすことはできず、流しきれなかった洗剤カスが残っていると言われているため、長期保管前には一度クリーニングに出すことが重要だという立場です。これはクリーニング業界の団体の考え方なので、家庭でしっかり洗えると判断できる服は、洗濯表示に従って自宅で洗い、完全に乾かしてからしまうという選択もあるでしょう。3つ目の服は、メーカーにお手入れ方法を確認するよう書かれています。

全ク連は、秋冬の衣類は家庭で洗えるものが少なく、洗濯の回数も少ないはずなので、保管前にはしっかりクリーニングに出すよう勧めていました。春夏物については、湿度が高く汗をかく季節なので、汗汚れを早めに取り除くことが大切だとしています。スーツやジャケットの袖口や衿まわり、ポケット口、パンツの太ももやひざの裏などは、汗などで汚れているそうです。

クリーニングに出すときは、シミや汚れの部分とその原因をお店に伝えることも、全ク連が挙げるポイントのひとつです。岡山県消費生活センターも、汗をたくさんかいた、シミの箇所や原因などを伝えることで、素材や汚れに適した処理をしてもらえると書いていました。ポケットの中身を確認する、破れやほつれは直してから出す、高価な装飾ボタンは外しておく、預かり伝票を必ず受け取る、といった点もあわせて挙げられています。

早めに受け取り、素材の寿命も知っておく

東京都の組合によると、一般的にクリーニング店は指定日からその数日後に品物を引き渡すことを前提としていて、保管サービスを除けば長期保管は想定していません。受け取りに来た人にすぐ渡すための一時保管場所と、長期保管の場所は違うため、品物はなるべく早く受け取りに行くことが大切だといいます。

伊勢市の消費生活センターは、季節物の洋服を次のシーズンに取りに行ったら紛失されていたという事例を紹介していました。賠償基準でも、クリーニング業者が洗濯物を受け取ってから1年を過ぎると賠償されません。保管の契約をしているのでなければ、仕上がった品物は早く引き取りに行くよう呼びかけています。受け取りが遅くなりそうなときは、お店に電話などで伝えておくとよいと東京都の組合も書いていました。同組合は、受け取りに来ない理由として「クリーニングに出したことを忘れてしまった」「預かり証を紛失してしまった」「忙しくて受け取りに行けない」「自宅に収納スペースがないので意図的に受け取らない」といった例を挙げています。お店によっては品物を自宅まで届けてくれる場合もあるそうなので、まとめて出す衣替えの時期ほど、受取日をメモしておくと安心です。

素材そのものの寿命にも注意しておきましょう。伊勢市のページによると、ポリウレタン素材の衣類は空気中の湿度や紫外線、熱や汚れで劣化し、寿命は製造から3年と言われているそうです。新品のまま保管していても空気中の水分で劣化し、表面がベトついたり表地がはがれたりすることがあります。目黒区の事例でも、4〜5年前に買った合成皮革の上着をクリーニングに出したらコーティングがはがれ、経年劣化と判断されて補償の対象にならなかったとありました。

全ク連は、劣化しつつある合成皮革製品はクリーニング店で受け付けてもらえない場合もあると書いています。合成皮革のジャケットやパンツは、ビニールを外して陰干しするのはほかの服と同じですが、「しまっておけば長持ちする」とは限らないことを知っておきましょう。全ク連は、次のシーズンまで保管するときは必ずクリーニングするよう勧めています。日ごろのお手入れとしては、中性洗剤を薄めた液に浸した布をよく絞り、目立たない部分で影響がないか確かめてから、汗や汚れのついた部分だけを拭き、洗剤が残らないよう水拭きしてよく乾かす方法が紹介されていました。目黒区も、合成樹脂皮膜などの寿命は比較的短いので、その点を考えて購入を検討するよう書いています。

まとめ

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クリーニングから戻った服のビニール(ポリ包装)は、お店から家まで持ち帰るときの汚れ防止用で、保管用ではありません。付けたままにすると、湿気がこもってカビやシミの原因になったり、袋に含まれる酸化防止剤と大気中のガスが反応して黄ばんだりすることがあります。

受け取ったら、まずビニールを外して、自分の品物か、シミや破れ、付属品の欠けがないかを確認しましょう。クリーニング事故賠償基準では、受け取ってから6カ月を過ぎると賠償されないため、次のシーズンまで放置しないことが大切です。確認が済んだら日陰で数時間風を通し、服に合ったハンガーで吊るすか、ニットはたたんでしまいます。

ホコリよけには通気性のある不織布カバーを使い、クローゼットやタンスは掃除してから、詰め込みすぎないように収納しましょう。長くしまう服は乾燥剤を入れた衣装箱へ、防虫剤は1種類だけを衣類の上に。しまう前に洗うこと、仕上がったら早めに受け取ることも、来シーズンまで服を守るための基本です。

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狭い部屋や収納スペースを無理なく使うために、場所・寸法・収納物から用品を選ぶ方法をまとめています。買う前に測る場所や使い勝手の確認点を、具体的にわかりやすくお届けします。

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